駆出し講師の覚書

駆出しの講師が、授業する際に自分が覚えておきたいことや自身が勉強していることをまとめます。

集合のとある問題を解説(不等式と集合の組合せ)

問題文

x、kを実数とする。全体集合を実数全体の集合とし、部分集合A,BがA={x|x^2+2x-8>0},B={x|x-2-(k-2)>0}であるとき、次の問いに答えよ。

  1. k=-2のとき、A⊂Bであることを証明せよ。
  2. k<-2のとき、A⊂Bとなるkの値の範囲を求めよ。
  3. k>-2のとき、A⊂Bとなるkの値の範囲を求めよ。

解き方

①Aの不等式を解く 

Aのほうを因数分解すると(x+4)(x-2)>0という式が得られます。
では、不等式の答えはどうなるでしょうか?
今回はx<-4、2<xとなるはずです。

②Bを因数分解しておく

文字があって、やりづらいかもしれません。
きっと、(x-k)(x+2)>0という式が得られると思います。

 

ここまでが問題を解くための下ごしらえです。
ここからは各問の条件にあわせて考えていきます。

(1)k=-2のとき、A⊂Bであることを証明せよ。

k=-2と特定の値となっているので、そのままBの式へ代入しましょう。
すると(x+2)^2>0という式を得られると思います。
この答えは、-2以外の実数となりますよね(※)。

Bの範囲がわかったところでAの範囲を考えましょう。
Aの範囲はすべてBの範囲と合致していていることがわかると思います。
よってA⊂Bということがわかります。

 

※疑問に思った方はグラフを書いてみましょう!

 

(2)k<-2のとき、A⊂Bであることを証明せよ。

(1)と異なり、kが-2未満という表現になっているため少々考えにくくなっています。
ここで必要となるのが

(x-k)(x+2)>0 

 の結果です。

この不等式を解くとxの範囲はどのようになるでしょうか?

この式が正の値となるのは()内の値が同符号になる場合です。したがって、どちらも正になる場合、どちらも負となる場合を考えていく必要があります。

(ⅰ)ともに正

ともに正となるためには「x-k>0」かつ「x+2>0」とならなければなりません。
これらを整理すると「x>k」かつ「x>-2」となります。
さて、この結果をふまえてどのような範囲になるのかを考えると、
今回はk<-2と言われているのでx>-2のほうがx>kよりも小さい値を指していることがわかります。
したがって、k>-2のときにともに正となるのはx>-2となります。

(ⅱ)ともに負

(ⅰ)と同様に考えると、ともに負となるのは「x<k」かつ「x<-2」となります。
さて、この結果をふまえてどのような範囲になるのかを考えると、
今回はk<-2と言われているのでx<kのほうがx<-2よりも小さい値を指していることがわかります。
したがって、k>-2のときにともに負となるのはx<kとなります。

 (ⅰ)(ⅱ)を図で表してみる

 図で表すと下図のようになると思います。(図の書き方が悪いのはお許しください.。図中右側はわざと簡略化しております)

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問題の条件からkは-2未満を自由に動くことができます。ただし、kで-4未満を包み込まなければならないということです。なぜかというとA⊂Bを満たさなければならないためです。

-4未満を包み込むことができるのは-2より小さくてかつ-4となるときなので
-4≦k<-2が答えとなります。