絶対値を含む不等式の解き方
高校の数学で地味に嫌な範囲のひとつである「絶対値を含む不等式」の解き方を
例題を用いて解説していきます。
例)3|x|+|x-3|≧5
①絶対値の項ごとに+、-を考える。
絶対値ごとに+,-を書き(|x|→+,- |x-1|→+,-)、全体でどのようなパターンがあるのかを考えていきます。
今回は絶対値の項が2つあるので、4つのパターンがあります。
ⅰ)+,+
ⅱ)+,-
ⅲ)-,+
ⅳ)-,-
②①で考えたパターンのうち、ありえないものはどれかを考える。
ⅰ~ⅳのパターン一つ一つ確認していきましょう。
ⅰ)+,+
できそう
ⅱ)+,-
できそう
ⅲ)-,+
むりそう
ⅳ)-,-
できそう
③ありえるパターンに着目し、定義域を考える。
ありえるパターンは②の結果から下記の3つです。それぞれが成り立つ範囲を考えていきましょう。
ⅰ)+,+
x≧0かつx-3≧0のとき2つとも+
⇒x≧3でなければならない
3|x|+|x-3|≧5
両方とも+なのでそのまま絶対値をはずす
3x+(x-3)≧5
4x≧8
x≧2 →前提としてx≧3なので
範囲はx≧3
ⅱ)+,-
x≧0かつx-3<0のとき
⇒0≦x<3でなければならない
片方が-なので絶対値をはずすとき-1を掛ける
3x-(x-3)≧5
3x-x+3≧5
2x≧2
x≧1 ⇒前提として0≦x<3なので
1≦x<3であることがわかる。
ⅳ)-,-
x<0かつx-3<0
⇒x<0でなければならない
両方-になので絶対値をはずすとき-1を掛ける
-3x-x+3≧5
x≦-1/2 ⇒前提としてx<0なので
x≦-1/2になることがわかる。
④③の結果を図に書いてまとめる。
図をかいて、≧5となる範囲をまとめます。
答えは、x≧1またはx≦-1/2です。
さいごに
絶対値を含む不等式の解き方、伝わったでしょうか?
場合分けのところで躓く方が多いですが、それぞれの項で+,-を
書いて、組み合わせを考えるだけで大まかな場合分けはできてしまいます。
ぜひ、問題を解きながら確認してみてください。
気になるところがあればコメント等で言っていただけると幸いです。